ソフトウエアの開発・導入・管理は企業にとって多額の費用や手間を要する事業です。
SaaSはそのようなコストや面倒な手間を減らせるサービスです。
そこで本記事では、SaaSの概要とメリット・デメリットを解説します。
新しいソフトウエア導入を検討している企業にとって、合理的な選択肢の一つなので、是非参考にしてください。
SaaSとは
SaaSとは「Software as a Service」の略称で、サースまたはサーズと呼ばれています。
サービス事業者がサーバー上で稼働しているソフトウエアを、ユーザーがインターネット経由で利用するサービスです。
たとえば「Gmail」もSaaSの一例で、ソフトウエアをユーザーのPCやスマホにインストールしなくてもネット上で利用できます。
このように、ユーザーがインターネット上のソフトウエアを利用するサービス形態をSaaSといいます。
SaaSのメリット
初期費用を抑えられる
Saasはサーバーや記憶装置などシステム構築に必要な設備などをサービス事業者が担います。
そのため、ユーザーはインターネット環境があれば、サービスを利用することができます。
たとえば「YouTube」も、ユーザーがインターネットを経由してYouTubeのサーバー上にある動画を見るという仕組みです。
したがって、ユーザーは動画を保存しておく記憶装置を用意する必要がありません。
SaaSはユーザーが設備を用意する必要がないので、初期費用があまりかからないというメリットがあります。
手間が最小限
事業者はサーバーなどの物理設備のみならず、アップデートやメンテナンスなどソフト面のサポートも行います。
ユーザーは面倒な設定やセキュリティ対策なども、事業者に一括して任せることができるので、手間やリスクを最小限に抑える事ができます。
これにより、ユーザーは自社の業務に集中することができ、生産性向上につながるというメリットがあります。
また、自動でアップデートしてもらるので、常に最新版のソフトウエアを利用できる点も魅力です。
すぐに解約できる
利用しなくなったらすぐに解約できる点もSaaSの魅力の1つです。
買い切り版だと利用しなくなった場合に、購入費用が無駄になってしまいます。
この点、SaaSは導入コストを抑えられるというメリットがあります。
そのため、試しに新しいソフトウエアを導入してみるといった柔軟な利用方法も可能です。
SaaSのデメリット
カスタマイズ性が低い
SaaSは事業者が提供するサービスのため、機能が完成されており、利用者が自分のニーズに合わせてカスタマイズすることができません。
たとえば、操作画面の変更や新たな機能の追加などは基本的にできません。
そのため、利用者が業務形態や運用方法をソフトウエアに合わせることになります。
ソフトウエアが定着してから業務形態が大きく変わり、追加の機能が必要になる場合もあるので、長期的な運用を考慮する必要があります。
ランニングコストがかかる
一般的にSaaSのサービスは定額料金制なので、利用を継続するとランニングコストがかかります。
利用者の増加に伴うライセンス費用やオプション、さらには料金の値上げなど、コストが膨らむ可能性もあります。
また、全く使わなくても料金が発生してしまう点もデメリットの一つです。
サービスが終了すると使えなくなる
事業者がサービスを終了してしまうと、利用すること自体ができなくなってしまいます。
買い切り版のソフトであれば、たとえサポートが終了したとしても、パソコンに残しておけば利用することはできます。
SaaSは事業者のサーバー上で稼働しているので、サービスが終了するとその時点で利用できなくなるので注意が必要です。
SaaSの具体例
Microsoft365
主に文章作成や表計算・プレゼン資料の作成など日常の業務で使われるOffice系ソフトを提供しているサービスです。
機能性はもちろん、洗練された作業画面や使いやすさを備えており、利用者は効率的に業務に取り組めます。
定期的なアップデートやセキュリティ対策などサポート充実しており、常に最新版のソフトを利用できます。
Dropbox
インターネット上にデータを保存できるサービスで、一般的にクラウドストレージと呼ばれます。
利用者はインターネットを経由して、自分のデータをDropboxのサーバーに保存します。
パートナーとデータを共有することができるので、場所を選ばずに共同作業ができ、業務を効率化できます。
Chatwork
チャットやビデオ/音声通話、さらにはファイル共有やタスク管理ができる、ビジネス向けコミュニケーションツールです。
ビジネスシーンにおける煩雑なコミュニケーションを円滑に行えるようになります。
作業画面がシンプルなデザインのツールなので、誰でも簡単に利用できます。
無料プランがあるので是非お試しください。
freee会計
面倒な会計・経理業務を自動で処理してくれる会計ソフトで、多くの企業や個人事業主の業務効率化に役立っています。
会計・経理にかかるコストや人的ミスを減らすことができますし、さらには資金の流れを一括管理することができるので経営状況を把握しやすいです。
また、会計の知識がない個人事業主の方でも簡単に利用でき、外注しなくても自力で効率的に会計業務が可能です。
まとめ
本記事では、SaaSの概要とメリット・デメリットを解説しました。
メリットをまとめると以下の通りです。
- 初期費用を抑えられる
- 手間がかからない
- 常に最新版のソフトウエアを利用できる
- すぐに解約できる
デメリットをまとめると以下の通りです。
- ランニングコストがかかる
- カスタマイズ性が低い
- サービスが終了すると使えなくなる
ユーザーは自社の業務内容を考慮し、長期的な視点でソフトウエアの導入を検討する必要があります。
ですが、初期費用は安いので、まずは試しに運用してみることをおすすめします。