iDeCoとは?メリットとデメリットを解説

日本では少子高齢化が進み、公的年金だけでは豊かな老後を過ごすのが難しくなってきました。

そこで日本政府は、国民に自力で老後資金を準備してもらおうと、お得な年金制度iDeCoを作りました。

本記事ではiDeCoの概要とメリット・デメリットを解説します。

老後の資産形成を検討中の方にとって、優れた選択肢の一つなので、是非参考にしてください。

iDeCoとは?

iDeCoとは任意で加入できる年金で、自分で投資商品を選んで運用する点が大きな特徴です。

老後の資産形成になるだけでなく、様々な税制上の優遇を受けられるというメリットがあります。

公的年金だけでは不安、または将来の老後資金をお得に準備したいという方におすすめの制度です。

iDeCoのメリット

所得税・住民税が減る

掛金が全額所得控除されるので、課税対象となる所得が減り、所得税と住民税が減ります。

大まかな計算例ですが、課税所得が300万円の場合、所得税が10%、住民税が10%なので、合計60万円の税金が発生します。

ですが、iDeCoで月2万円運用したら、課税所得が276万円になり、住民税と所得税の合計が55万2千円に減り、4万8千円の減税になります。

運用益が非課税

公的年金は投資機関が年金を運用しますが、iDeCoの場合は自分で掛金を運用することになります。

通常であれば投資で得られた利益には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoでの運用で発生した利益には税金が課されません。

例えば、月2万円積み立てて、3%で25年間運用した場合、元金600万円が892万円になります。

本来であれば運用益の292万円に59.3万円の税金がかかりますが、iDeCoの場合はこれが非課税になります。

受け取り時も減税

給付金の受け取り方には、一時金として一括で受給する方法と、年金として分割で受給する方法の2種類があります。

結論から言うと、現状では一時金として受給する方が節税効果が高いと言えます。

一時金として受け取る場合は退職所得扱いになり、受給額から退職所得控除額を差し引いた額の半分に対して課税されます。

上記例の場合、受給額892万円-退職所得控除1150万円×0.5となり、課税対象額が0になるので税金が発生しません。

そのため、公的年金iDeCoの受給額を合算して公的年金等控除額を差し引く分割受給に比べて、基本的には一時金受給の方が節税効果があります。

iDeCoのデメリット

60歳まで中途解約できない

iDeCoは老後の資産形成を目的とした制度のため、加入者は原則60歳になるまで資産を引き出せません。

一度開始したら中途解約することができず、積み立てた資金は60歳まで運用し続けることになります。

払い込みができなくなった場合は、運営機関に申請すれば払い込みを停止することができますが、口座手数料は毎月かかります。

また、加入期間が10年以上でなければ60歳になっても受け取ることができないので気を付けましょう。

自分で運用する必要がある

公的年金の場合は投資機関が掛金を運用してくれますが、iDeCoの場合は自分で運用することになります。

iDeCoの運用方法は、大きく分けて元本保証型商品と投資信託があります。

投資信託で運用する場合は投資商品を選ぶ必要があるので、元本割れのリスクがあります。

元本保証型の場合は、元本割れのリスクはありませんが、運用益が発生しないので非課税メリットが減り、なおかつ手数料による目減りもあり得ます。

各種手数料がかかる

iDeCoの手数料は主に以下の5つです。

• 加入時:初回1回のみ2,829円

• 納付時:毎月105円

• 事務委託:毎月66円

• 運営管理機関:毎月0~440円(機関ごとに異なる)

• 受給時:毎回440円

例えば、25年間続けた場合、加入料を除いて最低51,300円の手数料が発生し、さらに受給時にも手数料がかかります。

まとめ

iDeCoは様々な税制上の優遇を受けられるお得な年金制度です。

ただし、60歳まで縛りがあり手数料もいろいろと発生するので、始める際には慎重に検討する必要があります。

運用方法や受け取り方次第で、iDeCoのメリットを活かせないケースも考えられるので、この点は気を付けましょう。